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令和6年産米の市町農業再生協議会別の生産目標について

(公開日 令和5年11月28日)

令和5年11月
滋賀県農業再生協議会

1.令和6年産米の生産目標(生産の目安)
 本年10月に公表された「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針(以下「基本指針」という。)」では、令和6/7年(令和6年7月から令和7年6月まで)の全国の主食用米等需要量を1人あたりの消費量(推計値)に人口(推計値)を乗じた671万トンと見通されました。
 併せて、令和6年産米における全国の主食用米等生産量は、今後も需要量が毎年10万トン程度減少することが見込まれる中、引き続き、各産地で需要に応じた生産・販売を行う必要があることから、令和5年産の生産量の見通しと同水準の669万トンを設定されました。
 また、本県における令和4/5年の需要実績は148,671トン、令和5年6月末時点の民間在庫量は32,071トンと公表されました。
 これを受け、本県における令和6年産米の生産目標(生産の目安)については、「基本指針」をはじめ、滋賀県産米の民間在庫量、需要実績の推移等を総合的に勘案し、146,100トンと設定しました。

令和6年産米の生産目標(生産の目安)


滋 賀 県全 国※
数量(トン)面積換算値(ha)数量(万トン)
令和5年産米生産目標
(生産の目安)・・・①
144,84027,962669
令和6年産米生産目標
(生産の目安)  ・・・②
146,10028,205669
生産目標(生産の目安)の増減
         ・・・・・・②-①
+1,260+2430
※令和5年産の全国の値は当該前年10月に公表された基本指針における「主食用米等生産量」

2.令和6年産米の市町農業再生協議会別の生産目標(生産の目安)の算出
 令和6年産米の市町農業再生協議会別の生産目標(生産の目安)は別紙1のとおりで、以下の方法により算出したものです。
 なお、市町農業再生協議会別の令和7年産米および令和8年産米の生産目標(参考値)は、本県の需要量が毎年 2,130t(全国需要減10万トン/年×滋賀県の需要量シェア(直近7中5)2.13%)減少すると仮定し算出すると別紙2のとおりとなります。

令和6年産米の市町農業再生協議会別生産目標(生産の目安)の算出方法>
(1)令和6年産米の本県の「生産目標(生産の目安)」に、市町毎に算出した直近5ヶ年の「市町別水稲収穫量」の中庸3ヶ年の平均値のシェアを乗じて算出しました。
(2)「市町別水稲収穫量」は、農林水産関係市町村別統計に基づく市町別の10a当たり収量に、地方農政局長等が公表した「水田における作付状況」等の市町別主食用米作付面積(属人)を乗じ、年度ごとに算出しました。

3.令和6年産米の安定生産および安定供給について
 令和5年産米は作付面積の減少や作柄が「やや不良」となったため、集荷業者等に米が集まらず、卸売業者や実需者等(以下「卸等」という。)が求める近江米の数量を供給できていない状況です。
 今後、卸等の要望に対応できない状況が続くと、これまでから京阪神等に近江米を供給してきた産地としての信頼を損ね、小売店等に現存する近江米の棚が他県産に代わることで、徐々に近江米の売り先を失うことに繋がります。
 このため、水田農業を基幹とする本県においては、米の需給が締まると見通される中で、これまで以上に、卸等が求める近江米の数量をしっかりと生産・供給することが重要です。
 そこで、マーケットインの視点に立った米づくりの指針となる「近江米生産・流通ビジョン(近江米振興協会:令和5年3月改訂)」等に基づき、近江米の需要を満たせず、作り足りていない現状等を的確に捉え、必要とされる数量を事前契約(播種前契約、複数年契約等)のもと、確実に生産・供給することで、産地として信頼される需給関係の 構築に努めます。併せて、全国に占める近江米の需要量シェアの維持・向上および農業者の所得の確保に向けて以下の取組を進めます。

(1)関係者へのアプローチ
 ① 農業者に対しては、「実需者等が求めている米」をしっかりと生産・供給されるよう作付誘導を図りつつ、事前契約に基づいた安定生産を基本に、確実に履行(出荷)されるよう推進します。
 ② 集荷業者に対しては、卸等が求める品種や用途等の情報を把握し、農業者に対する情報提供や作付提案を行い、事前契約による実需者との結び付きの強化が図られるよう推進します。
 ③ 関係機関・団体に対しては、播種前契約に基づき既に播種されている麦や、市町農業再生協議会から示される生産目標等との整合を図りながら、「求められている米」の作付けを「誰に」「どのように」推進するかを検討されるよう働きかけます。

(2)用途に応じた作付けの推進
 ① 家庭用の「コシヒカリ」「みずかがみ」については、消費者への訴求力を高め、需要の拡大が図れるよう、食味ランキングにおける「特A」取得をはじめ、「環境こだわり米」の比率を高めるとともに、新品種「きらみずき」や「オーガニック近江米」等の特色ある米づくり、GAP等の取組による安全・安心な米づくりを進めます。
 ② 業務用については、コロナ禍からの需要回復や物価高に伴う節約志向を背景に、引き合いが強まる等の需要動向を注視しながら、農業者の所得の最大化が図れるよう、低コストによる多収栽培等により、需要に対応する生産(数量確保)に取り組みます。
 ③ 本県においては、作付品種の多様化が進んでおり、ロットのまとまらない状況となっているため、主要品種以外の作付けについては、実需者から要望のある品種への集約を図ります。

※麦・大豆、高収益作物等の推進方針については、「令和6年度における水田活用の促進について」(令和5年9月滋賀県農業再生協議会)を参照願います。

4.その他
(1)水稲生産実施計画書等について

 需要に応じた米の生産・販売の推進に向け、農業者は、市町農業再生協議会等から提供された情報や「水田収益力強化ビジョン」を踏まえ、水稲生産実施計画書等を作成し、認定方針作成者等を通じて市町農業再生協議会に提出することが、国の「需要に応じた米の生産・販売の推進に関する要領」に定められています。関係機関・団体は、一丸となって、引き続き、水稲生産実施計画書等の作成支援等に取り組むこととします。

(2)複数年の生産目標(生産の目安)の参考値について
 長期的な視点に立って水田フル活用を進めていくことが重要であることから、令和7年産米および令和8年産米の生産目標(生産の目安)を、参考値として提示します。ただし、これにより、単純に生産調整面積(麦の作付面積等)を決定するものではなく、あくまでも事前契約等に基づき、需要に応じた生産・販売が計画的に行われるよう、関係機関・団体が作付誘導を図ります。

(3)令和7年産米以降の生産目標(生産の目安)
 本県産の需要実績および需要動向、事前契約の進捗状況、地域における作付けや生産・供給の状況等を踏まえ生産目標(生産の目安)のあり方等について、市町農業再生協議会との意見交換等を踏まえ検討を進めることとします。



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