『 湖北はひとつ 』を合言葉に!   湖北地域農業センターは、広域調整機能を最大限に活用し、湖北地域における農業の振興及び担い手の育成を図り、将来展望の持てる農業構造の確立を目指すと共に、湖北地域の農業・農村の活性化を図ることを目的としています。   OrganizationName:KohokuRegionalAgricultureCenter Tel:0749-62-4143 Fax:0749-62-4144 E-mail:kohoku-nougyou@tree.odn.ne.jp WebSite:https://kohoku.webnode.jp/ LINEaccount:@549zxsvy                春分(しゅんぶん)... 昼と夜が同じ長さになる日で、自然をたたえ生物をいつくしむ日とされています。多くの出会いや別れがあり、新生活の始まりなど変化が多い時期です。 《 日天の中を行て昼夜とうぶんの時なり 》

農業経営の法人化

更新日 令和7年9月10日


このようなことでお困りではありませんか?

 ● 法人化をしたいが、何から手を付ければいいのかわからない。
 ● 法人化のメリットがよくわからない。
 ● 法人化にあたり、集落内で合意形成をする流れがわからない。
 ● 法人化したものの、収益性をどうやって上げればいいかわからない。など

農業経営高度化アドバイザーにご相談ください!

 集落営農組織の様々な課題の解決に向け、専門アドバイザーを各集落等の研修会や相談会等へ派遣します。 
 ご相談・派遣のお申込み・詳細については、以下
をご覧ください!

 「しがの農業経営・就農支援センター」について
 https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/shigotosangyou/nougyou/ryutsuu/326459.html
 ※ 事前に湖北農業農村振興事務所農産普及課にご相談ください。

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集落営農組織の法人化を支援します(令和7年度)

 地域農業の持続的な発展を図るため、集落営農組織の法人化にかかる経費を支援します。
 法人化により、経営の明確化や雇用の安定化、販売体制の強化などが期待されます。

対 象
 ・県が認める集落営農組織
 ・集落営農組織を主たる構成員とする連携組織(集落間の広域連合、法人との連携など)

助成内容
 ・法人化に要する経費:定額25万円/法人

申請方法
 ・所在市町の農政主務課へ申請
 ・受付期間:令和7年2月7日~2月28日(※市町により異なります)

お問い合わせ
 ・詳しくは「令和7年度集落営農連携促進等事業について」をご参照ください。
 https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/shigotosangyou/nougyou/ryutsuu/334459.html?utm_source=chatgpt.com

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【集落営農組織編】

どの法人形態を選択するか 

 法人形態は、① 会社法による会社法人(合同会社・合資会社・合名会社・株式会社)と、② 農協法による農事組合法人に分けられます。
・家族経営を法人化する場合は、株式会社が一般的です。
・集落営農組織が法人化する場合は、集落営農組織の運営と同様の方法が採用できるなどの特徴を持つ農事組合法人が適切と考えられます。

区  分 会社法人 農事組合法人
構 成 員 制限なし、1人以上 農民*等、3人以上
議 決 権 1株1議決権による株主総会の議決【株式会社】
1人1議決権による全員一致(約款で変更可)【合同会社】
1人1票制
労働報酬 給与 給与または従事分量配当*
事  業 事業一般 ①農業に係る共同利用施設の設置・農作業の共同化に関する事業
②農業経営、付帯事業
設立コスト ①公証人の承認手続きが必要
②設立、定款の変更等の登記にかかる登録免許税が必要
①公証人の承認手続きは不要
②設立、定款の変更等の登記にかかる登録免許税は非課税
組織変更 合同会社から株式会社、株式会社から合同会社へ変更可
農事組合法人への変更は不可
株式会社、一般社団法人に変更可
合同会社への直接変更は不可

*農民とは、農協法3条の規定で、「自ら農業を営み、または農業に従事する個人」をいいます。
*組合員に対して、給与と従事分量配当の両方を支払うと従事分量配当は、損金算入できません。


集落営農組織と法人の比較(メリット・デメリット)

区 分 集落営農組織 法 人
認定農業者 なれない なれる
組織への課税 「任意組合」の場合
・構成員個人が所得税を申告
・組織の損益計算書を構成員に分配する必要がある
但し「人格のない社団」となった場合、法人税・消費税が課税されることがある
1.法人税
2.事業税
 ・農地所有適格法人の農業の事業税は非課税
3.法人住民税(市町・県民税)
 ・課税利益がなければ、税負担は法人住民税の均等割のみ
4.消費税
会計期間 1月から12月 約款で定めた期間
申告時期 2月16日から3月15日 決算後2ヶ月以内
内部留保 できない できる
地代 経費に算入できない 経費に算入できる
組合員への労働報酬 経費に算入できない 経費または損金に算入できる
農地の借入
(利用権設定)
できない できる
雇 用 できない できる
労働保険 労災の一般加入ができない 給与の支払いで労災の一般加入ができる
特別加入については、一定規模以上で個人が加入することができる 特別加入については、組合員個人で加入することができる
但し、法人としては損金に算入することはできない
・民間の保険を活用することも可能であるが、民間の保険は「一時金」
・労災保険は年


集落営農組織の法人化を成功・発展させる条件および留意事項

1.なぜ法人化するのか? ~ビジョン・目標と合意形成が重要~
 法人化は経営発展の手段です。重要なのは将来のビジョン・目標を合意の元に明確に掲げ、それを実現していくための手段が法人であると位置づけることです。
 組織の成立要件は、① 共通目的、② 貢献意欲、③ コミュニケーションと言われています。集落営農組織は多くの農家で構成されますので、将来のビジョン・目標が「共通目的」であり、構成員個々が経営発展・継続への「貢献意欲」を持ち、役員相互・役員と構成員のコミュニケーションの円滑化を図ることが必要です。

2.強力なリーダーの存在とメンバーの積極的な協力
 法人の役員・代表者は「経営者」です。したがって、役員・代表者の安易な持ち回りは避けるべきです。
 集落営農組織は多くの農家で構成されており、つい他人任せになってしまうこともあります。これでは円滑な法人の運営もできませんから、他人任せにするのではなく、法人を構成する(出資する)メンバーが「自分の会社」という意識と「運命共同体」という共同意識を持つことが重要です。

3.利益の確保と経営の安定
 集落営農型農業法人の場合、組合員の共同の利益を高めるということが法人の目的になっています。つまり組合の事業に従事する組合員に対して、営農の報酬を確保していくことがもっとも重要な役割になります。
 現在取り組んでいる稲麦大豆と併せて収益性の向上を図るために土地の有効化を含めた新たな多品目化や6次産業化も含めた多角化経営を図ることで売上高の増加を図っていくことが重要課題です。また、現在取り組んでいる稲麦大豆の収量や品質を高めることも安定した経営になり、肥料や農薬等のコスト削減に取り組むことも経営安定化には重要であり、更なるコスト削減や効率化、省力化を図る必要があります。
 このような取り組みで組合員の経営の安定化を図ることで継続した集落営農法人の活動につながり、しいては地域農業の安定化につながっていきます。

4.内部留保に努めていきましょう
 節税対策で内部留保しない法人が多くみられますが、これからの経営の安定を考えると、しっかりと利益を出して法人として内部に利益を残して体力をつけていくことが非常に重要であり、計画的な安定した法人経営を進めていきましょう。


組合員への説明会資料(事業目論見書)の作成

1.これまでの取り組みの評価と組織再編成のための合意形成
 任意組合の活動の評価が必要です。強化するところはないのか、見直すところはないのかなど組織再編に向けて従来の活動の点検を行います。そして、新たに法人化するための合意形成を図っていきます。
 法人化を思い立った時には、必ず役員さんや準備委員会等で何度も検討されるに違いありません。そのような場を以てある程度法人化が具体的になってきたところで組合員の皆さんに説明する資料を作っていく必要があります。そのことが組合員全員の理解、合意形成につながり組合員の問題点、現状、これからの運営方法についてこれらのメンバーが中心となって十分詰めていく必要があります。一般的には、その場の検討会で組合員の説明資料を十分に検討していくことが重要です。

2.組合員への法人化説明資料(事業目論見書)の作成
新たな組織の事業計画・経営計画を作成します。
① 事業目論見書の重要性
 この事業目論見書が大変重要なポイントです。
 後日、集落の農家を集めて「事業(法人)説明会」の中心資料となるもので、集落の多くの農家から出資してもらおうということであれば、ある程度の目算が立たなければ出資もしてもらえません。
 特に、設立趣旨・経営目的(事業方針)と経営収支計画については、充分検討する必要があります。
 設立趣旨・経営目的(事業方針)は「集落の農業・農地の将来ビジョン」にあたるもので、なぜ法人を設立するのか、どういう法人を設立するのか、どんな経営を目指すのか、といった点を文章で表現し、未来の集落の姿を明確にすることが重要です。さらに、経営収支計画は売上を厳しく見積もり、費用は多めに見積もってみます。その結果、赤字になるようであれば、赤字を埋めるためにどうするのか、といった点も検討していきます。
② 事業目論見書の項目
 a 設立趣旨・事業方針
 b 法人の名称(仮称)
 c 事業の目的
 d 資本金の額
 e 組合員の範囲
 f 事業規模
 ・5ヵ年程度の経営内容を明確にします。
 ・現在の任意組合の収支状況を参考に、損益計算書の様式にしたがって5ヵ年程度の損益計算書を算定します。
 ・特に、従事者への労働報酬の支払ルールや支払い形態(給与か従事分量配当[農事組合法人]の場合か)、余剰金の処分方法もあらかじめ決めておきましょう。
 g 経営収支計画③規約申し合わせ事項(その他、組合員の理解を深めるための事項)

3.定款の作成
法人の形態によって、定款は異なります。
農事組合法人であれば、農林水産省が示す「模範定款」があり、株式会社でもモデル定款があります。
「模範定款」を利用し、必要な項目を記載していきます。
【「模範定款」の修正の箇所】
① 法人の名称
② 所在地
③ 出資者と出資金額(農業生産法人要件に留意します)
④ 資本金額
⑤ 役員(農業生産法人要件に留意します)
⑥ 総会開催時期
⑦ 営業(事業)年度
⑧ 余剰金の処分方法(特に農事組合法人の場合)

4.説明会を開催し、理解と合意形成を図りましょう


組合員への労働報酬の支払い 

1.給与と従事分量配当の違い
 農事組合法人の場合、組合員への労働報酬を「給与」か「従事分量配当」として支払うことが可能です。
 それぞれ特徴がありますから、その相違点を理解した上で労働報酬を支払うようにしましょう。
 法人が損金に算入するためには、組合員に対して給与と従事分量配当のどちらかの方法で支払うことが必要です。

給与と従事分量配当の相違点 

区分 給与 従事分量配当 備考
性格 労働の対価 同左  
特徴 定額 配当であり、単位当たりの単価は変動する。 給与の場合は法人の内部規定(賃金規定等)により、基本給の他に諸手当の支給が可能。
受け取った個人(組合員)の税務上の取り扱い 給与所得 事業所得(農業所得) 給与の場合、サラリーマンは「従たる給与」という *注
源泉徴収義務 給与の場合、サラリーマンは「乙欄摘要」となる
支払額 範囲の定めはない 余剰金の範囲 給与の場合、その金額に定めはないが、経営を考慮して適正な額とすることが必要
決算の欠損(赤字) 認められる 支払額が余剰金の範囲であり、認められない  
期中の支払の取り扱い 経費 仮払金  

*注:所得金額が20万円以下の場合は、確定申告が不要となっています。したがって、任意組合での支払実績(任意組合での配分実績)が20万円を超えない場合は、従事分量配当を採用しないことも可能です。

2.農事組合法人の従事分量配当
 法人税法上では、法人を① 普通法人、② 協同組合等、③ 人格なき社団等の3つに分類されます。
 農事組合法人は、②の協同組合等の特例を受けられますが、事業に従事する組合員に対して賃金等給与を支給する農事組合法人は、普通法人として扱われ、普通法人として課税されます。
 農事組合法人のうち、組合の事業に従事する組合員に給与等を支払っていない協同組合等に該当する法人が、従事分量等に応じて支払った配当金(従事分量配当)は、法人の所得の計算上損金に算入されます。また、受け取った組合員は、事業所得(農業所得)として取り扱われます。
 ただし、組合員に対して確定給与を支給する農事組合法人(普通法人)が、従事分量配当等を行った場合は、配当を受けた組合員は所得税法上配当所得になり、支給した法人は従事分量配当を損金に算入することは出来ません。
 また、従事分量配当は「配当」ですので、決算総会に於いて余剰金の処分として決定・処理されますが、従事分量配当に関して、法人税法の基本通達では以下のように決められています。
① 事業に従事する組合員には、組合の役員または事務に従事する組合員を含まない。
② 事業に従事する組合員に対し、当該事業年度の余剰金処分によりその従事分量配当金が確定するまでの間、仮払金、貸付金等として経理した場合には、給与として支給されたものとはしない(確定払いとした場合は普通法人となる)。
③ 事業に従事する組合員に対して、普通の自家消費程度を超えて生産物などを支給した場合は、その支給が給与の支払いと認定される(普通法人となる)。


法人化検討のスケジュール表(例)

発起人決定 ・発起人を決める。
説明会開催 ・発起人メンバーに特定農業団体と法人の違いやメリット、デメリット等を説明。発起人がまず理解を深めることが重要。
事業目論見書の作成 ・組合員に対して説明する資料の元となります。組合員に法人設立を納得してもらえる資料作成に心掛ける。
収支計画(5年)の作成 ・収入、支出はできる限り詳細に算出して下さい。(特定農業団体の場合の経営内容を参考にしてください。)
アンケート ・一集落一農場になっていない集落では、組合員にいつまで個人でできるか等のアンケートを取り、状況把握をします。
集落の現状把握等 ・出資金をどのように集めるか?1年目の経営にどれだけ資金が必要か?
・法人化についての問題点について話し合い、解決できるようにしてください。
資金・機械の現状把握 ・税理士の先生と相談しましょう。中央会の経営高度化支援アドバイザー制度が活用できます。(申請用紙でJAに申し込み)
・法人に引き継ぐ機械は時価での金銭買い取りが基本。
・機械を補助金で購入しているものが無いか確認してください。ある場合には市役所や県に相談、申告してください。
・特定農業団体にある資金(借金を含む)を明確にさせます。
担当税理士探し ・法人の決算書を検証してもらったりするために、周囲で税理士の先生が居られたらお願いしてください。
・事業年度の設定は税理士の先生と相談ください。
設立同意書の準備  
理事候補の選出 ・理事は最低1名以上、監事は任意で選出。
定款の作成 ・定款は農協法に準じて作成されているものですので、必要以上に内容を変更しないでください。独自の決め事は規約、規定等細則で定めてください。
説明会の資料作成 ・組合員に対して説明するため大きな文字で分かり易い資料を作成。
法人化への説明会 ・組合員に対して、法人化への説明をする。同意していただき、法人の組合員に賛同していただける方には設立同意書に押印をしてもらいます。
・設立に同意をいただいた方により、法人の組合員名簿を作成し、記載していきましょう。
法人名の募集 ・新たに設立する法人の名前を募集される場合もあります。
印鑑の作成 ・法人の実印、銀行印、角印、組合せ印など必要な印鑑を作成してください。(提出書類等で使用します。)
設立総会の準備 ・設立総会の資料作成。
法務局(大津)に行く ・作成した書類の確認のため、法務局に出向き間違いがないか確認してもらいます。
・そのまま、訂正部分を見直して、完成させます。
設立総会の開催 ・出資引受書に押印してもらうため、組合員に印鑑を持ってきてもらうと手間が省けます。
法人の口座開設 ・登記の2~3週間前に最寄りの金融機関で開設していただけます。
 出資金を入金する口座となります。
(口座開設に必要な書類)
・設立総会の議事録
・登記前の定款
・構成員の名簿
・代表者の本人確認書類
・届出印(法人のではなく、代表者の実印。登記後に法人の印鑑で改印してください。)
出資金振込 ・出資金を開設した口座に振り込みます。
法務局に登記(大津) 提出書類
1.農事組合法人設立登記申請書
2.定款
3.出資引受書
4.出資金領収書
5.役員選任決議書
6.理事就任承諾書
7.登記用紙
8.印鑑届
9.(代表)理事の印鑑証明
 ※定款は3~5部ほど一緒に作成しておくと、各関係機関に提出する際に再度作成する手間が省かれます。
必要な提出先
・法務局
・顧問税理士(税務署に提出するのに必要です。)
・法人としての控え
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【個別経営体編】

農業法人と農地所有適格法人 

 農業法人とは、「法人形態」によって農業を営む法人の総称です。この農業法人には、「会社法人」と「組合法人」の2つのタイプがあります。
 また、農業法人が農地を所有するには農地所有適格法人の要件を満たすことが必要です。農地所有適格法人の要件は、農地法第2条第3項で定める事業要件・構成員要件・経営責任者要件を満たすということです。
 また、農地所有適格法人以外の法人(一般法人)であっても一定の要件(業務執行役員又は重要な使用人が1名以上農業に常時従事する等)を満たせば農地の貸借は認められます。


法人と個人の違い

(1)税制(所得に関する課税)での違い
 農地所有適格法人(会社形態)と個人では下記のとおり税制上(所得に対する課税)の取り扱いが違ってきます。

 法人と個人の税制の違い(令和元年8月現在) 

農地所有適格法人(会社形態) 個人(農家)
○法人税
 ・定率により課税されます。
  800万円以下の金額  15.0%
  800万円超の金額   23.2%
  (資本金1億円以下の場合)




○所得税
 ・累進税率により課税されます。
  195万円以下の金額        5.0%
  195万円超330万円以下の金額   10.0%
  330万円超695万円以下の金額   20.0%
  695万円超900万円以下の金額   23.0%
  900万円超1800万円以下の金額  33.0%
  1800万円超4000万円以下の金額  40.0%
  4000万円超           45.0%
○法人事業税
 ・定率により課税されます。
  400万円以下の金額      3.4%
  400万円超800万円以下の金額 5.1%
  800万円超の金額       6.7%
  (資本金1億円以下の場合)
 ☆農地所有適格法人である農事組合法人が行う農業については、
  法人事業税が非課税となっています。
○個人事業税
 ・個人事業税は課税されません。






○地方法人特別税
 ・法人事業税の一部です。
  基準法人所得割額 × 43.2%
  (外形標準課税法人以外の法人の場合)
 
○法人住民税
 ・均等割と法人税割により課税されます。
  ①均等割
   県民税  22,200円(滋賀県の場合)
   市町民税 50,000円
   (資本金1千万円以下で従業者数50人以下の場合)
  ②法人税割
   県民税   13.2%
   市町民税  11.1%(東近江地域の場合)
○個人住民税
 ・均等割と所得割により課税されます。
  ①均等割
   県民税   2,300円
   市町民税 約3,000円(市町により異なる)
  ②所得割
   県民税   4%
   市町民税  6%

○その他
 ・純損失の繰越控除が10年間できます。(平成30年4月1日以後に
  開始する事業年度において生ずる欠損金)
 ・役員報酬、退職金支給、交際費が損金算入できます。
○その他
 ・純損失の繰越控除が3年間できます。(青色申告の場合)
 ・65万円の特別控除があります。(青色申告の場合)

(2)個人経営と法人経営における会計処理・税務および社会保険制度の違い

 会計処理・税務の違い

  個人経営 法人経営
複式簿記記帳 任意 強制
(事業年度) 1月~12月 1年以内で任意に設定できる
役員報酬の損金算入 不可 可(賞与を除く)
減価償却費の計上 強制償却 任意償却
法定償却
(建物を除く固定資産)
定額法 定率法
交際費の損金算入
(平成28年現在)
制限規制なし 資本金1億円以下の場合は、接待飲食費の額の50%相当額の損金算入と、
定額控除限度額(800万円)までの損金算入のいずれかを選択適用
繰越欠損期間 3年間 平成30年4月1日以降に開始する事業年度からは10年間

 社会保険制度の違い
確定賃金制

  個人経営 法人経営
事業主 従業員 事業主 ※ 従業員
従事分量配当制度
(農事組合法人のみ)
健康保険 国民健康保険(強制適用) 健康保険(強制適用)
年金保険 国民年金(強制適用) 厚生年金(強制適用)
農業者年金 任意加入 摘要なし
労災保険 特別加入
制度あり
5人以上
強制適用
特別加入制度あり 1人以上
強制適用
雇用保険 適用なし 5人以上
強制適用
適用なし 1人以上
強制適用

※ 法人経営の事業主は農事組合法人の代表理事、株式会社の代表取締役 等

(3)税制(農地等の譲渡益に対する課税)の違い

① 譲渡所得の金額の計算

 法人税における所得の計算は、基本的には可得税における事業所得の計算と同様です。すなわち、すべての益金から全ての損金を控除した残額が所得です。
 なお、所得税の土地等の譲渡所得にあっては、分離課税制度がとられており、しかも譲渡所得が長期譲渡所得か短期譲渡所得かで課税方法が異なっています。これに対して法人税の場合には、すべての所得は総合して課税されます。また、土地譲渡益については、通常の法人税のほかに、付加的に追加課税が行われています。

② 譲渡益に対する課税の特例の差異

 所得税における土地等の譲渡所得に対する課税の特例については、法人税においても同様の措置が講じられているものと、いないものに区分すると次のとおりです。
a 法人税でも所得税と同様の措置が講じられているもの
 (a) 収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例
 (b) 換地処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例
 (c) 収用換地等の場合の所得の特別控除
 (d) 特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の所得の特別控除
 (e) 特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の所得の特別控除
 (f)農地保有合理化のために農地等を譲渡した場合の所得の特別控除
 (g) 特定の土地等の長期譲渡所得の特別控除
 (h) 特定の資産の買換・交換の場合の課税の特例
 (i) 特定の交換分合により土地等を取得した場合の課税の特例
 (j) 大規模な住宅地等造成事業の施行区域内にある土地等の造成のための交換等の場合の課税の特例
b 所得税だけに講じられている措置
 (a) 長期譲渡所得の課税の特例
 (b) 優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例
 (c) 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例
 (d) 長期譲渡所得の概算取得費控除
 (e) 短期譲渡所得の課税の特例
 (f) 居住用財産の譲渡所得の特別控除
 (g) 特定の居住用財産の買換・交換の特例
 (h) 既成市街地等内にある上地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換及び交換の場合の譲渡所得の課税の特例
 (i) 相続財産に係る譲渡所得の課税の特例
c 法人税だけに講じられている措置
 (a) 土地の譲渡等がある場合の特別税制
 (b) 短期所有に係る土地の譲渡等がある場合の特別税制
    ただし、平成25年12月31日までの間の土地の譲渡等については、適用しません。

(4)法人化のメリット
 法人化のメリットとは次のようなことがあります。

〇 融資制度
・制度資金の融資限度額が個人より拡大されます。
・役員の連帯保証で借入金に対応することができます。

〇 家計と経営の分離 
・家計と経営の分離が図られ、経営体として確立できます。
・家計は法人からの給料等で賄うことになり、生活資金の定期化・定額化が図られ、家計の計画化が可能となります。
・経営の参加者(構成員、従事者)に対して労務の対価として給料が支払われ、所得が配分され ます。

〇 経営の合理化 
・経営が合的に運営されます。
・企業的経営として会計が独立して行われ、企業会計の規則で経営内容の把握が正確となり、経営内容の明確化と組織的運営により、経営の合理化や改善が可能となります。
・経営者としての責任が生じ、従業員や顧客に対する意識の向上が図られます。
・家族従事者に対する給与等人件費の支払い、後継者、女性等の経営参画により労働意欲の増大につながります。
・マーケットからの信用力が増え、取引の拡大が見込まれます。
・雇用契約の明確化、給与等労務の対価の支払い、休日の確保等労働条件の改善等により、雇用の安定的確保を図ることができます。

〇 税制上の優遇
・一定所得以上は法人税の方が有利となります。
・農地所有適格法人である農事組合法人が行う農業については、法人事業税が非課税となっています。

〇 経営体の継承の確保
・経営内外からの人材確保が相対的に有利となります。
・社会保障制度等により人材確保がしやすくなります。


法人になることによって生じる義務・負担

 法人になることによって有利な面がある反面、一方では事務処理の繁雑さや金銭面での負担が増加するこ とになります。これらは、法人としての当然の義務や負担として発生するものがほとんどですので十分熟知して法人化に取り込むことが必要です。

(1)税の負担
・所得の少ない経営では負担が増大します。個人経営では所得が少ない場合は所得税の負担はありませんが、法人の場合は利益がなくても法人住民税が7万円程度の負担(県民税均等割額22,200円(滋賀県) + 市町村民税均等割額50,000円)となります
・会計が企業会計原則に基づくため複雑となり、手数がかかるため事務的な負担が増えます。
・会計事務や税務申告を専門家に依頼する場合には経費負担が増加します。
・法人が構成員等個人の所有している農地を法人で所有するには、元の所有者に譲渡所得税の負担があります(現物出資でも譲渡とされます)。特に地価の高い地域での所有権移転には困難性があります。
・納税猶予(相続税、贈与税)を受けている農地を法人が構成員等個人から借り入れた場合には、貸し付けた者はこれまで相続税納税猶予の打ち切りとなりましたが、これについては、平成21年の農地法等の改正により、農業経営基盤強化促進法の農用地利用集積計画によって貸し付ける場合は、納税の猶予が継続されることとなりました。なお、その場合には終身経営を継続する必要があります。

(2)社会保険・労働保険制度 法人化すると、社会保険・労働保険の加入が義務づけられます。加入にあたっては、経費の負担が必要となります。

(3)要件適合性の確保のための措置 農地所有適格法人の要件は、農地の権利を取得した後も継続して要件を満たすことが必要です。要件を満たさなくなれば、最終的に農地が国に買収されることとなります。農地所有適格法人が農地の権利 を取得した後も要件に適合していることを確保するため、次のような措置が設けられています。
 農地所有適格法人は、毎事業年度の終了後3ヵ月以内に、事業の状況等を農業委員会に報告しなければなりません。この毎年の報告をせず、または虚偽の報告をした場合には、30万円以下の過料が課せられます。

(4)その他 廃止(解散)する場合には、法人の財産はすべてを清算することとなり、そのために一定の手続きが必要となります。また、清算所得がある場合は税負担が生じることもあります。


法人の形態別の特徴

 農業法人の組織形態としては、会社法の株式会社、持分会社(合名会社、合資会社、合同会社)と農協法の農事組合法人等があります。次にそれぞれの形態の特徴について説明します。

(1)株式会社
 会社法に基づく法人で、資本を多く集めることができるように株式を発行する物的会社です。企業として最も一般的な会社形態です。
 株主は、会社に対して一定の限度で出資義務を負うだけで、株式会社の債権者に対しては、直接責任を負いません(間接有限責任)。株式会社は、このように「株式」、「株主の間接有限責任」を特色とする法人です。
 株主になるにあたっては、予め会社に対して出資の履行が必要とされています。株主になった以降は、株式会社が解散しない限り出資の返還を求めることはできません。そこで株主の投下した資本の回収のために、株式の譲渡は自由にできる仕組みになっています。
 なお、株式会社が農業を営むため農地の所有権等の権利を取得する場合には、これらに加えて農地所有適格法人の要件を満たす必要があり、その要件の1つに「公開株式でないものに限る」という要件があります。これは、株式会社にあっては、その発行する全部の株式の譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けている場合に限り、認めるものです。例えば、株式の譲受人が従業員以外の者である場合に限り承認を要する等の限定的な株式譲渡制限は、これにあたらないとされています。

〈参考〉 特例有限会社
 平成18年5月1日に施行された新会社法により、従来の有限会社は廃止され、それまでの有限会社は「特例有限会社」という株式会社として存続することになりました。その結果有限会社の社員は株主として、社員の有していた持分は株式として、出資1口は1株としてみなすという取り扱いになりました。
 特例有限会社は、おおむね取締役会を設置していない非公開会社(譲渡制限会社)と取り扱いを同じくしますが、次の点で異なっています。
・商号は、従来の「有限会社」をそのまま用います。株式会社の名称は入りません。
・特例有限会社における株式については、譲渡制限に関する定款の記載があるものとみなされます。
・取締役の任期に関する会社法の規定は適用がありません。
・有限会社において「監査役をおく」旨の定款の記載のある場合には、特例有限会社においては、会計監査権限に限られます。
・計算書類の公告に関する会社法440条の規定は適用がありません。

(2)合名会社 会社法に基づく法人で、家族的な少数社員のときは有効といえます。経営規模は小さく会社形態のなかでは原始的とされていますが、事業の目的は企業としての利益追求です。
 会社の信用は社員にあり、人的会社と呼ばれ、全員が連帯して個人の財産まで無限責任を負うこととなります。

(3)合資会社 会社法に基づく法人で、合名会社に準じて準人的会社といわれています。出資をより多く集めることができるように有限責任が加味されています。
 社員は2人以上で、有限責任社員と無限責任社員の双方が存在します。

(4)合同会社 会社法に基づく法人で、社員の全部が会社債権者に対して、出資の価額を限度として間接的に責任を 負う有限責任社員からなる会社をいいます。社員の個性が重視され、社員間の人的信頼関係を基礎とした会社運営がされる点で、合名・合資会社と似ています。そのため、会社法では合名会社・合資会社・ 合同会社の3種の会社を「持分会社」として共通に定めをしています。

(5)農事組合法人 農事組合法人は、農業協同組合法に基づく法人です。この法人の目的は「農事組合法人は、その組合員の農業生産について協業を図ることにより、その共同の利益を増進することを目的とする」と定められています。
 同法では、農事組合法人は事業によって① 共同利用施設の設置及び農作業の共同化を行うものと、② 農業経営(農業経営農事組合法人)を行うものに分けられています。農事組合法人は、このうちいずれか1つを行っても、2つ合わせて行っても差し支えありません。①の事業だけの法人の場合は農業経営を行わないため、農業生産法人にはなれま せん。
 組合員は、①の事業だけの法人の場合は農民、②の事業を行う場合は、農民・農業協同組合、法人の事業の関連事業者で定款で定められるものとされています。
 出資は1口の金額が均一であれば、金額に制限がなく、①の事業だけの場合は非出資組合でも設立することができます。なお、非出資組合の場合は、②の事業を行うことはできません。組合員は1個の議決権を有します。


農地所有適格法人制度

1.法人による農地貸借・所有の制限
 農地所有適格法人の要件(農地法第2条に定める「事業要件」、「構成員要件」、「業務執行役員要件」)を満たしている「株式会社」、「農事組合法人」等は、農地の貸借・所有が可能です。
 また、農地所有適格法人以外の法人である「一般会社」については、農地の所有はできませんが、 業務執行役員又は重要な使用人が1名以上農業に常時従事すれば農地の貸借が可能となります。ただ しこの場合、農地を貸借するにおいて、解除条件付きの貸借であること等の条件を満たさなければな りません。

2.農地所有適格法人の要件(農地法第2条)
 農地所有適格法人とは、次に掲げる4つのすべての要件を満たすことで、農地の権利(所有権・使用収益権等)の取得が可能となり、農業経営を行うことができる法人のことです。

(1)法人形態要件
 農地所有適格法人の「法人形態要件」は、下記のいずれかです。
 ① 株式会社(株式譲渡制限会社(公開会社でない)に限る)
 ② 合名会社
 ③ 合資会社
 ④ 合同会社
 ⑤ 農事組合法人

(2)事業要件
 農地所有適格法人の「事業要件」は、農業とその関連事業が、全体の売上高の過半でなければならないとされています。

(3)構成員要件
 農地所有適格法人の「構成員要件」は、その法人に対して、① 農地の権利提供者、② 常時従業員(原則 年間150日以上の農業従事)等の【農業関係者】が総議決権の1/2超を持つことが必要です。

(4)業務執行役員要件
 農地所有適格法人の「業務執行役員要件」は、① 農業生産法人の業務執行役員の過半の者が法人の農業(関連事業を含む)に常時従事(原則年間150日以上)する構成員であることが必要です。また、② 役員又は重要な使用人の1人以上が、法人の行う農業に必要な農作業に従事(原則年間60日以上)することとされています。
 なお、(3)構成員要件、(4)業務執行役員要件における「常時従事日数(年間150日以上)」、「農作業従事日数(年間60日以上)」の判断基準には特例があります。

3.法人の農地貸借・所有の許可、公告の流れ(農地法第3条・農業経営基盤強化促進法第18条)
 農地所有適格法人は、「農地等」の所有権を法人として取得することができ、また賃借権、使用貸借による権利の設定移転により、農地を借り受けて農業を営むことができます。農地所有適格法人以外の法人(一般法人)は、「農地等」の所有権を法人として取得することができませんが、賃借権、使用貸借による権利の設定移転により、農地を借り受けて農業を営むことができます。ただし、次の要件を満 たしている場合に限って農地法に基づく許可がなされます。それは、① 業務執行役員又は重要な使用人が1名以上農業に常時従事すること、② 農地を適正に利用しない場合に貸情を解除する旨の条件が契約 に付されていること、③ 地域において他の農業者との適切な役割分担のもとに継続的かつ安定的に農業 経営を行うと見込まれること、の3つの要件を満たしている場合です。

4.法人の定期報告等(農地法第6条)
 農地法第3条の許可ならびに農業経営基盤強化促進法第18条の農用地利用集積計画に基づく公告により農地を取得・権利を設定した農地所有適格法人は、農地の所在する農業委員会に必ず、毎事業年度の終了後3ヵ月以内に「定期報告」を行わなければなりません。複数の市町に農地が所在する場合は、農地が所在する農業委員会の全てに報告しなければなりません。
 なお、開墾して取得した農地や昭和37年以前に権利取得をした農地については対象となりません。
 定期報告での提出書類(農地所有適格法人)
 ・農地所有適格法人報告書
 ・株主名簿(株式会社)または組合員名簿(農事組合法人)の写し
 ・関連事業者が出資している場合は、継続的取引契約に係る契約書の写し
 ・定款の写し
 ・その他
 ・農地等利用状況報告書
 ・定款の写し
 ・その他

5.農地所有適格法人設立の事前調整
 また、農地の貸借を行った一般法人は、毎事業年度の終了後3ヵ月以内に「農地等の利用状況報告」を行わなければなりません。複数の市町に農地が所在する場合は、農地が所在する農業委員会の全てに報告しなければなりません。 農地等利用状況報告での提出書類(一般法人)
 農地所有適格法人の要件を満たしていないまま登記を行うと、要件を満たすよう再度登記の変更を行わなければなりません。法人の登記を行う前に、できるだけ市町農業委員会・一般社団法人滋賀県農業会議等と事前の調整を行ってから、法人の設立を行うことが重要です。

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※ 上記リーフレットまたは法人化マニュアル(冊子)が必要な方は、湖北地域農業センターまでお問い合わせください。

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