令和7年度 竹生島蚕霊供養祭・虫供養祭
2025年10月16日
令和7年10月16日 竹生島・宝厳寺本堂(弁財天堂)において、養蚕の業績を子々孫々に引き継ぐための「蚕霊供養祭」と、穀物や野菜作りの過程で犠牲となった虫を供養する「虫供養祭」が厳かに奉修されました。

湖北の養蚕は農家の副業として発展し、全世帯の7~9割が従事していたという記録もあります。旧長浜市域だけでも4,487戸の養蚕農家が生産を行っていました。
また、米原市の岩脇地域・多和田地域は、かつて真綿の一大産地として栄え、明治から大正時代にかけての最盛期には、約230軒が真綿産業に携わっていたといわれています。
湖北地域全体では、滋賀県の繭生産量の約7割を占めていたと記録されており、浜ちりめんやビロードといった地場産業の発展にもつながりました。
その後、化学繊維の普及などを背景に衰退しましたが、現在もわずかに蚕業が残っており、高級和楽器の糸として広く知られています。
竹生島の宝厳寺本堂(弁財天堂)へと続く石段は170段弱あり、その両脇には養蚕関係者による石柱が数多く奉納されています。
また、境内には非常に大きな燈籠も献灯されており、当時の養蚕の繁栄を偲ぶことができます。ご来島の際には、ぜひご覧ください。