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クロテンコナカイガラムシの発生を初確認!

2022年10月11日

 令和4年10月11日 滋賀県病害虫防除所は、近江八幡市内の露地栽培のトマト(R4.8)において、クロテンコナカイガラムシを本県で初めて確認したことから、特殊報第1号を発表しました。

令和4年度 病害虫発生予察特殊報第1号
令和4年(2022年)10月11日
滋賀県病害虫防除所


クロテンコナカイガラムシの発生を初確認

1.病害虫名:クロテンコナカイガラムシ Phenacoccus solenopsis Tinsley

2.対象作物:トマト、ナス、ピーマン

3.発生地域:近江八幡市

4.発生経過
(1)令和4年8月に近江八幡市内の露地栽培のトマトにおいて、コナカイガラムシ類の寄生が認められた。その後、同ほ場内のナス、ピーマンにおいても同様の寄生が認められた。滋賀県病害虫防除所において同定した結果、本県では未発生のクロテンコナカイガラムシであることが確認された。なお、県内では現在、同ほ場以外で本種の発生は認められていない。
(2)本種は、平成21年に沖縄県において国内で初めて発生が確認された後、佐賀県、福岡県、愛知県、山口県、高知県、鹿児島県、大阪府、奈良県、長崎県、京都府、愛媛県、岡山県および兵庫県で発生が確認されており、本県での発生は15府県目となる。

5.形態および生態
(1)雌成虫には翅が無く、体は楕円形である。体長は通常3~4.2㎜程度で、大きい個体は5 ㎜を超える。雌成虫は白色でワタ状のロウ質物を背面に分泌するため、全体が白く見えるが、背面の一部にロウ質物が薄い部分があり、2対の黒斑があるように見える。雄成虫は1対の翅をもつ。
 本種の繁殖様式は、交尾後の雌が産卵する有性生殖と、雌成虫が交尾せずに産卵する単為生殖の2パターンが存在する。雌成虫は、ロウ質物の卵のう内に平均350個程度産卵する。単為生殖の場合、1世代の発育期間は平均70日程度である。
(2)本種は中南米原産であるが、北米、アジア、ヨーロッパ、オーストラリアおよび西アフリカなどの世界各地で発生が確認されている。
(3)広食性であり、53科154種の植物に寄生することが知られており、国内では、トマト、ナス、オクラ、ピーマン、ホウレンソウ、花きなどで発生が確認されている。植物の葉、葉柄、茎、花芽および果実に寄生し、吸汁により寄主植物を衰弱させる。加えて、分泌した甘露(糖分を多く含んだ排泄物)が果実の汚れや「すす症状」発生の要因となる。

6.防除対策
(1)発生を確認したほ場では、被害の拡大を防ぐため、寄生部位を早期に除去する。除去した部位は、ほ場外に持ち出し土中に埋めるか、袋に密閉した上で処分するなど、適切に処理する。
(2)本種はキク科やスベリヒユ科雑草などにも生息するため、ほ場内および周辺の雑草の除草を徹底する。
(3)薬剤による防除を行う場合、発生を確認後、早期に散布を実施する。なお、令和4年10月11日現在、ナスおよびピーマンではコナカイガラムシ類に対する登録農薬があるが、トマトでは登録のある農薬はないため、トマトで発生を確認した場合は寄生部位を除去し、適切に処理する。

農薬の取り扱いについて

 農薬取締法や滋賀県では、農薬を販売する者・使用する者が守らなければならない事項、守っていただきたい事項を次のように定めています。
 このことを守り、農薬の適正な流通、安全・適正な使用に努めましょう。

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