令和7年病害虫発生予報第2号
令和7年4月15日 滋賀県病害虫防除所は、病害虫発生予報第2号を発表しました。
【予報概要】
大阪管区気象台の発表では、向こう1か月の気温は平年並または高く、降水量は平年並、日照時間は平年並の見込み。
作物名 | 病害虫名 | 時期 | 発生量 | 作物名 | 病害虫名 | 時期 | 発生量 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ムギ | 赤かび病 | やや遅 | やや多 | 果樹全般 | カメムシ類 | 平年並 | 平年並 |
イネ | 黄萎病 | - | やや少 | チャ | チャノコカクモンハマキ(I) | やや遅 | やや少 |
イネミズゾウムシ | 平年並 | 平年並 | チャハマキ(I) | やや遅 | 平年並 | ||
イネドロオイムシ | 平年並 | 平年並 | チャノホソガ(I) | 平年並 | やや少 | ||
野菜全般 | アブラムシ類 | - | やや多 | カンザワハダニ | - | 平年並 | |
ナシ | 黒星病 | 平年並 | 平年並 | ツマグロアオカスミカメ | 平年並 | 平年並 |
A.ムギの病害虫
1.赤かび病
予報内容 発生時期:やや遅
発生量:やや多
予報の根拠
(1)小麦の生育はやや遅い。
(2)赤かび病は、ここ数年多発傾向にある。
(3)気象予報では気温は平年並または高く、降水量は平年並の見込み。
防除上注意すべき事項
(1)小麦は、開花始め~開花期に農薬を散布する。特に、「びわほなみ」は、赤かび病に弱いことから、1回目の散布から7~10日後頃に2回目を散布する。
(2)二条大麦は、穂揃い10日後頃に農薬を散布する。
(3)六条大麦は、赤かび病にやや弱いことから、開花始め~開花期とその7~10日後頃の2回農薬を散布する。
(4)薬剤散布後に気温が高く、曇雨天が続く場合は、防除効果を高めるため、直前の散布の7~10日後頃に追加で農薬を散布する。特に、「びわほなみ」では3回目の農薬散布に向けて準備する。
B.イネの病害虫
1.黄萎病(ツマグロヨコバイ)
予報内容 発生量:やや少
予報の根拠
(1)前年の刈株再生芽の発病は認められなかった。
(2)ツマグロヨコバイの越冬量はやや少ない。
(3)育苗箱施薬による防除が普及している。
防除上注意すべき事項
(1)前年の刈株再生芽の発病株率が5%以上のところでは、薬剤を育苗箱に施用する。
2.イネミズゾウムシ
予報内容 発生時期:平年並
発生量:平年並
予報の根拠
(1)予察灯への飛来は確認されていない。
(2)前年の発生量はやや少なかったが、前年の予察灯への飛来数は多かった。
(3)気象予報では気温は平年並または高く、降水量は平年並の見込み。
防除上注意すべき事項
(1)根腐れを生じやすい水田では幼虫による被害が出やすいので、適切に水管理する。
(2)例年発生が多いほ場では、育苗箱施薬または移植時に、は種同時施薬機や側条施肥田植機で薬剤を施用する。本田で越冬成虫の発生が多い場合には、成虫飛込最盛期(5月中旬~下旬)に多発しているところを中心に薬剤を散布する。
3.イネドロオイムシ(イネクビホソハムシ)
予報内容 発生時期:平年並
発生量:平年並
予報の根拠
(1)前年の発生量は平年並。
(2)気象予報では気温は平年並または高く、降水量は平年並、日照時間は平年並の見込み。
防除上注意すべき事項
(1)曇雨天の多い年は被害が出やすいので注意する。
(2)例年発生が多いほ場では、育苗箱施薬または移植時に、は種同時施薬機や側条施肥田植機で薬剤を施用する。発生が多い場合には薬剤を散布する。イネミズゾウムシと同時防除できる。
C.野菜(露地)の病害虫
1.野菜全般:アブラムシ類
予報内容 発生量:やや多
予報の根拠
(1)ほ場での発生を認めた時期は早い。
(2)黄色水盤での誘殺数はやや多い。
(3)気象予報では気温は平年並または高く、降水量は平年並の見込み。
防除上注意すべき事項
(1)薬剤抵抗性を獲得しやすいので、同一グループ薬剤の連用を避ける。
D.果樹の病害虫
1.ナシ:黒星病
予報内容 発生時期:平年並
発生量:平年並
予報の根拠
(1)ナシの生育は平年並。
(2)前年の発生量はやや少ない。
(3)気象予報では気温は平年並または高く、降水量は平年並の見込み。
防除上注意すべき事項
(1)「幸水」は発病しやすい。
(2)花芽基部に病斑を確認したら、花そうごと切除し、園外に持ち出して処分する。
(3)満開7~10日後(4月下旬頃)が重点防除期にあたる。
(4)耐性菌が生じやすいので、同一グループ薬剤の連用を避ける。
2.果樹全般:カメムシ類
予報内容 発生時期:平年並
発生量:平年並
予報の根拠
(1)フェロモントラップでの誘殺は確認されていない。
(2)チャバネアオカメムシの越冬成虫数は平年並。
(3)気象予報では気温は平年並または高く、降水量は平年並の見込み。
防除上注意すべき事項
(1)飛来を認めたら、早朝か夕方に薬剤を散布する。
E.チャの病害虫
1.チャノコカクモンハマキ(第1世代幼虫)
予報内容 発生時期:やや遅
発生量:やや少
予報の根拠
(1)越冬世代成虫のフェロモントラップへの初飛来日は遅い。
(2)越冬世代成虫のフェロモントラップでの誘殺数はやや少ない。
(3)前年の最終世代の発生量は、やや少ない。
(4)気温は平年並または高く、降水量は平年並の見込み。
防除上注意すべき事項
(1)発生量が多い茶園では、一番茶摘採後に薬剤を散布する。
2.チャハマキ(第1世代幼虫)
予報内容 発生時期:やや遅
発生量:平年並
予報の根拠
(1)越冬世代成虫のフェロモントラップへの初飛来日は遅い。
(2)前年の最終世代の発生量は平年並。
(3)気温は平年並または高く、降水量は平年並の見込み。
防除上注意すべき事項
(1)発生量が多い茶園では、一番茶摘採後に薬剤を散布する。
3.チャノホソガ(第1世代幼虫)
予報内容 発生時期:平年並
発生量:やや少
予報の根拠
(1)越冬世代成虫のフェロモントラップへの初飛来日はやや遅い。
(2)越冬世代成虫のフェロモントラップでの誘殺数はやや少ない。
(3)前年の最終世代の発生量はやや少ない。
(4)気温は平年並または高く、降水量は平年並の見込み。
防除上注意すべき事項
(1)新芽への産卵が多い茶園では、使用時期(収穫前日数)に注意して薬剤を散布する。
4.カンザワハダニ
予報内容 発生量:平年並
予報の根拠
(1)ほ場での発生量は平年並。
(2)気温は平年並または高く、降水量は平年並の見込み。
防除上注意すべき事項
(1)発生園では、使用時期(収穫前日数)に注意して薬剤を散布する。
5.ツマグロアオカスミカメ
予報内容 発生時期:平年並
発生量:平年並
予報の根拠
(1)一番茶の生育はやや遅。
(2)前年の発生量は平年並。
(3)気温は平年並または高く、降水量は平年並の見込み。
防除上注意すべき事項
(1)使用時期(収穫前日数)に注意して薬剤を散布する。
防除対策(耕種的防除や薬剤防除など)については、滋賀県農作物病害虫雑草防除基準を参照してください。
病害虫防除に関する情報
滋賀県病害虫防除所 病害虫の発生予察などの関連情報
https://www.pref.shiga.lg.jp/boujyo/
滋賀県農作物病害虫雑草防除基準
滋賀県における病害虫や雑草の適切かつ安全な防除および危被害防止についての基準
https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/shigotosangyou/nougyou/ryutsuu/303181.html
お問い合わせ先:滋賀県病害虫防除所
〒521-1301 滋賀県近江八幡市安土町大中516
TEL:0748-46-6160・4926
FAX:0748-46-5559
Email:gc70@pref.shiga.lg.jp
https://www.pref.shiga.lg.jp/boujyo/
農薬取締法や滋賀県では、農薬を販売する者・使用する者が守らなければならない事項、守っていただきたい事項を次のように定めています。
このことを守り、農薬の適正な流通、安全・適正な使用に努めましょう。