令和6年病害虫発生予報第9号
令和6年8月27日 滋賀県病害虫防除所は、病害虫発生予報第9号を発表しました。
令和6年度病害虫発生予報第9号
令和6年(2024年)8月27日
滋賀県病害虫防除所
【予報概要】
大阪管区気象台の発表では、向こう1か月の気温は高く、降水量は県北部で平年並または多く、 県南部で多く、日照時間は平年並の見込み。
A.イネの病害虫
1.トビイロウンカ
予報内容 発生量:平年並
予報の根拠
(1)予察灯への飛来を認めていない。
(2)ほ場での発生を認めていない。
(3)気象予報では気温は高く、降水量は県北部で平年並または多く、県南部で多い見込み。
防除上注意すべき事項
(1)防除情報第3号を参照のこと。
2.コブノメイガ
予報内容 発生量:平年並
予報の根拠
(1)ほ場での発生量は平年並。
(2)気象予報では気温は高く、降水量は県北部で平年並または多く、県南部で多い見込み。
防除上注意すべき事項
(1)防除情報第3号を参照のこと。
B.ダイズの病害虫
1.べと病
予報内容 発生量:やや多
予報の根拠
(1)ほ場での発生量は平年並。
(2)気象予報では気温は高く、降水量は県北部で平年並または多く、県南部で多い見込み。
防除上注意すべき事項
(1)発生初期に薬剤を散布する。
(2)種子伝染するので、発生ほ場から採種しない。
2.葉焼病
予報内容 発生量:やや少
予報の根拠
(1)ほ場での発生量は少ない。
(2)8月6半旬に台風が接近し、風雨が強まる見込み。
(3)気象予報では気温は高く、降水量は県北部で平年並または多く、県南部で多い見込み。
防除上注意すべき事項
(1)台風など、激しい風雨の後に急増するので注意する。
(2)発生初期に薬剤を散布する。
(3)種子伝染するので、発生ほ場から採種しない。
3.アブラムシ類
予報内容 発生量:平年並
予報の根拠
(1)ほ場での発生を認めていない。
(2)黄色水盤での誘殺数は平年並。
(3)気象予報では気温は高く、降水量は県北部で平年並または多く、県南部で多い見込み。
防除上注意すべき事項
(1)発生初期から薬剤を散布する。
4.ハダニ類
予報内容 発生量:平年並
予報の根拠
(1)ほ場での発生量は平年並。
(2)気象予報では気温は高く、降水量は県北部で平年並または多く、県南部で多い見込み。
防除上注意すべき事項
(1)発生初期から薬剤を散布する。
5.吸実性カメムシ類
予報内容 発生量:やや多
予報の根拠
(1)ほ場での発生量は平年並。
(2)水稲や露地野菜ほ場で、加害能力の高いミナミアオカメムシの発生を認めた。
(3)気象予報では気温は高く、降水量は県北部で平年並または多く、県南部で多い見込み。
防除上注意すべき事項
(1)若莢期~子実肥大期に薬剤を散布する。
6.ハスモンヨトウ
予報内容 発生量:平年並
予報の根拠
(1)ほ場での発生量は平年並。
(2)フェロモントラップでの誘殺数はやや多い。
(3)気象予報では気温は高く、降水量は県北部で平年並または多く、県南部で多い見込み。
防除上注意すべき事項
(1)早期発見に努め、若齢幼虫が葉裏に群せいしているうちに捕殺する。
(2)幼虫が中齢~老齢になると薬剤の効果が低下するので、若齢期に薬剤を散布する。
7.フタスジヒメハムシ
予報内容 発生量:平年並
予報の根拠
(1)ほ場での発生量は平年並。
(2)気象予報では気温は高く、降水量は県北部で平年並または多く、県南部で多い見込み。
防除上注意すべき事項
(1)子実肥大期に薬剤を散布する。
C.野菜(露地)の病害虫
1.野菜全般:アブラムシ類
予報内容 発生量:やや少
予報の根拠
(1)ほ場での発生量はやや少ない。
(2)黄色水盤での誘殺数は平年並。
(3)気象予報では気温は高く、降水量は県北部で平年並または多く、県南部で多い見込み。
防除上注意すべき事項
(1)発生初期から薬剤を散布する。
(2)薬剤抵抗性を獲得しやすいので、同一グループ薬剤の連用を避ける。
2.野菜全般:ハスモンヨトウ
予報内容 発生量:平年並
予報の根拠
(1)ほ場での発生量はやや少ない。
(2)フェロモントラップでの誘殺数はやや多い。
(3)気象予報では気温は高く、降水量は県北部で平年並または多く、県南部で多い見込み。
防除上注意すべき事項
(1)早期発見に努め、若齢幼虫が群せいしているうちに捕殺する。
(2)幼虫が中齢~老齢になると薬剤の効果が低下するので、若齢期に薬剤を散布する。
3.野菜全般:タバコガ類
予報内容 発生量:多
予報の根拠
(1)ほ場での発生量は平年並。
(2)フェロモントラップでの誘殺数は、オオタバコガ、タバコガともに多い。
(3)気象予報では気温は高く、降水量は県北部で平年並または多く、県南部で多い見込み。
防除上注意すべき事項
(1)注意報第4号を参照のこと。
4.野菜全般:ネキリムシ類(カブラヤガ)
予報内容 発生量:やや少
予報の根拠
(1)ほ場での発生を認めた。
(2)フェロモントラップでの誘殺数は平年並。
(3)気象予報では気温は高く、降水量は県北部で平年並または多く、県南部で多い見込み。
防除上注意すべき事項
(1)発生初期に薬剤を散布する。
5.アブラナ科野菜:モンシロチョウ(アオムシ)
予報内容 発生量:平年並
予報の根拠
(1)ほ場での発生を認めた。
(2)気象予報では気温は高く、降水量は県北部で平年並または多く、県南部で多い見込み。
防除上注意すべき事項
(1)発生初期に薬剤を散布する。
6.アブラナ科野菜:コナガ
予報内容 発生量:やや少
予報の根拠
(1)ほ場での発生量はやや少ない。
(2)予察灯への飛来量は少ない。
(3)気象予報では気温は高く、降水量は県北部で平年並または多く、県南部で多い見込み。
防除上注意すべき事項
(1)発生初期に薬剤を散布する。
(2)薬剤抵抗性を獲得しやすいので、同一グループ薬剤の連用を避ける。
5.アブラナ科野菜:コナガ
予報内容 発生量:やや少
予報の根拠
(1)予察灯への飛来量は少ない。
(2)気象予報では気温は高く、降水量は県北部で平年並又は少なく、県南部で平年並の見込み。
防除上注意すべき事項
(1)発生初期に薬剤を散布する。
(2)薬剤抵抗性を獲得しやすいので、同一グループ薬剤の連用を避ける。
7.アブラナ科野菜:ヨトウガ
予報内容 発生量:少
予報の根拠
(1)ほ場での発生を認めていない。
(2)フェロモントラップでの誘殺数は少ない。
(3)気象予報では気温は高く、降水量は県北部で平年並または多く、県南部で多い見込み。
防除上注意すべき事項
(1)早期発見に努め、群せいしているうちに捕殺する。
(2)若齢期に薬剤を散布する。
8.アブラナ科野菜:ハイマダラノメイガ
予報内容 発生量:多
予報の根拠
(1)ほ場での発生量はやや多い。
(2)指標植物であるクレオメでの寄生幼虫数は多い。
(3)気象予報では気温は高く、降水量は県北部で平年並または多く、県南部で多い見込み。
防除上注意すべき事項
(1)注意報第7号を参照のこと。
D.果樹の病害虫
1.果樹全般:カメムシ類
予報内容 発生量:多
予報の根拠
(1)フェロモントラップでの誘殺数はやや多く、予察灯での誘殺数は多い。
(2)気象予報では気温は高く、降水量は県北部で平年並または多く、県南部で多い見込み。
防除上注意すべき事項
(1)注意報第6号を参照のこと。
2.カキ:炭疽病
予報内容 発生量:やや多
予報の根拠
(1)ほ場での発生量は平年並。
(2)気象予報では気温は高く、降水量は県北部で平年並または多く、県南部で多い見込み。
防除上注意すべき事項
(1)「富有」、「早秋」等は発病しやすい。
(2)病枝、病果は処分する。
(3)9月に雨が多いと発病が多くなる。
3.ナシ:ナシヒメシンクイ
予報内容 発生量:平年並
予報の根拠
(1)フェロモントラップでの7月以降の累積誘殺数はやや多い。
(2)ほ場での被害果数は平年並。
(3)気象予報では気温は高く、降水量は県北部で平年並または多く、県南部で多い見込み。
防除上注意すべき事項
(1)被害果は処分する。
(2)収穫期の遅い品種ほど被害が大きくなるので注意する。
E.チャの病害虫
1.炭疽病
予報内容 発生量:やや多
予報の根拠
(1)ほ場での発生量は平年並。
(2)気象予報では気温は高く、降水量は県北部で平年並または多く、県南部で多い見込み。
防除上注意すべき事項
(1)発生園では薬剤を散布する。
(2)秋番茶の収穫を予定している園では、使用時期(収穫前日数)に注意する。
2.カンザワハダニ
予報内容 発生量:平年並
予報の根拠
(1)ほ場での発生量は平年並。
(2)気象予報では気温は高く、降水量は県北部で平年並または多く、県南部で多い見込み。
防除上注意すべき事項
(1)発生が認められる園では薬剤を散布する。
(2)秋番茶の収穫を予定している園では、使用時期(収穫前日数)に注意する。
(3)発生量が少なく、秋番茶の収穫を予定していない茶園は、秋整枝後に行う越冬ダニの防除(10 月)まで防除時期を遅らせる。
3.チャノホソガ(第4世代幼虫)
予報内容 発生時期:やや早
発生量:やや少
予報の根拠
(1)第3世代成虫のフェロモントラップでの誘殺時期は平年並。
(2)第3世代成虫の累積誘殺数は予察灯でやや少なく、フェロモントラップで少ない。
(3)気象予報では気温は高く、降水量は県北部で平年並または多く、県南部で多い見込み。
防除上注意すべき事項
(1)新葉に産卵を認めたら薬剤を散布する。
(2)秋番茶の収穫を予定している園では、使用時期(収穫前日数)に注意する。
4.クワシロカイガラムシ(年3回発生地域・第3世代幼虫)
予報内容 発生時期:早
発生量:やや少
予報の根拠
(1)第2世代幼虫の発生時期はやや早い。
(2)第2世代成虫(雄繭)の寄生株率は少ない。
(3)気象予報では気温は高く、降水量は県北部で平年並または多く、県南部で多い見込み。
防除上注意すべき事項
(1)防除は、ふ化~定着直後の幼虫を対象とし、ふ化最盛期(50%ふ化卵塊が過半数に達した時期)の約2~3日後が防除適期となる。
(2)秋番茶の収穫を予定している園では、使用時期(収穫前日数)に注意する。
防除対策(耕種的防除や薬剤防除など)については、滋賀県農作物病害虫雑草防除基準を参照してください。
病害虫防除に関する情報
滋賀県病害虫防除所
病害虫の発生予察などの関連情報
https://www.pref.shiga.lg.jp/boujyo/
滋賀県農作物病害虫雑草防除基準
滋賀県における病害虫や雑草の適切かつ安全な防除および危被害防止についての基準
https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/shigotosangyou/nougyou/ry
utsuu/303181.html
お問い合わせ先:滋賀県病害虫防除所
〒521-1301 滋賀県近江八幡市安土町大中516
TEL:0748-46-6160・4926
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Email:gc70@pref.shiga.lg.jp
https://www.pref.shiga.lg.jp/boujyo/
農薬取締法や滋賀県では、農薬を販売する者・使用する者が守らなければならない事項、守っていただきたい事項を次のように定めています。
このことを守り、農薬の適正な流通、安全・適正な使用に努めましょう。
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