『 湖北はひとつ 』を合言葉に!   湖北地域農業センターは、広域調整機能を最大限に活用し、湖北地域における農業の振興及び担い手の育成を図り、将来展望の持てる農業構造の確立を目指すと共に、湖北地域の農業・農村の活性化を図ることを目的としています。   KohokuRegionalAgricultureCenter Tel:0749-62-4143 Fax:0749-62-4144 E-mail:kohoku-nougyou@tree.odn.ne.jp Web:https://kohoku.webnode.jp/ LINE:@549zxsvy                小満(しょうまん)... あらゆる生命が満ち満ちていく時期のことです。太陽の光を浴び、万物がすくすく成長していく季節です。麦畑が緑黄色に色付き始めます。 《 万物盈満すれば草木枝葉繁る 》

刈取り前、今一度株選りとともに機械の清掃再点検を!!

2017年08月17日

今年の水稲の生育は、各品種ともに平年より早い!ほ場審査前には、必ず株選りの徹底!作業の前後には、必ず掃除の励行!

 7月に入って最高気温、最低気温ともに高く推移しました。この間、日照時間は多く、一方で降水量は平年並みからやや少ない傾向となっています。そして7月19日の梅雨明け以降は猛暑が続いています。
 こうした気象から水稲は比較的順調に生育しています。滋賀県農業技術振興センターの5月10日移植「コシヒカリ」の出穂期は7月25日となり、平年より4日早く「秋の詩」の幼穂形成期は7月11日であり、平年より7日早くなりました。今年の水稲の生育は、各品種とも平年より早くなっています。
 ただ、移植時期の違いで生育の差がみられることや、今後の気温の変動によっては、収穫適期が前後しますので、収穫の判断は、まずほ場をよく観察することです。

1.ゆっくり、確実に
 優良種子の生産のために基本技術を確認してください。機械施設や収穫用資材の清掃・点検を十分にお願いします。そして無理のない作業計画になっているかなどチェックを今一度お願いします。
 これまでの苦労が無駄にならぬよう、刈り取り後、籾を共同乾燥施設へ搬入するまで、あるいは個別乾燥してフレコン等に詰め終わるまで細心の注意を払っていただきたいと思います。
 炎天下での作業が続きます。十分な水分補給や休憩をとりながら、熱中症にならないよう注意して下さい。「急がば回れ瀬田の唐橋」という言葉がありますが、焦った作業をせず、農作業事故を避けるように、ひとつひとつの作業を確実にやる心掛けが大切かと思います。

2.基本技術の励行
①株選り
 収穫前にもう一度株選りの確認を

 「株選り」は、種子の生産過程の中で最も重要な作業です。
 品種の特性をもとに、傾穂の遅い株や不稔株、穂や芒の特徴が周囲と異なる株のほか、漏生籾(こぼれ籾)によるチラ生えが完全に除去できているか確認します。特に、前年と作付け品種が異なる場合には、入念に確認しておいてください。
 ほ場審査が終わっても、収穫直前まで株選りを行い、異品種、異形株、病害虫被害株など疑わしい形状の株が無いか確認をお願いします。

②水管理
 出穂前後は多くの水を必要とします。

 出穂前後は水稲が生理的に多くの水を必要とします。未熟粒を少なくし、充実の良い種子を生産するために、登熟期に水不足とならないよう特に注意しましょう。

 落水は収穫の5日前頃を目安に
 開花後1ヶ月間くらいは、籾重がどんどん増加します。その後も茎葉が青々としている間は、籾にデンプンを蓄え続けます。落水を早めると、籾の念実が悪くなり、千粒重が小さくなります。落水は収穫作業に支障のない限りでできるだけ遅らせます。

3.台風など強風対策と病害虫防除
 水稲の登熟期~収穫期は台風が接近しやすい時期と重なるので、備えが必要です。
①台風接近が予想される場合は事前に深水にして、倒伏や乾燥害を防ぐようにします。
②台風通過後は、穂いもち、白葉枯病やウンカ類が発生しやすいので注意します。発生が認められたら、JAの営農指導員や県の普及指導員に相談し必要な場合は防除を行います。
③倒伏した場合は、穂発芽の防止に努めます。成熟期に近い場合は、速やかに刈り取った方がよいでしょう。なお、倒伏や病害虫に侵された稲は、刈り分けし、健全な稲と混ぜないようにします。
④被害状況は、直ちにJAに連絡します。

4.収穫用資材・機械設備の点検整備
 コンバイン、乾燥機、調製設備などの掃除、点検整備は念入りに行います。
 特に、コンバインの機内残留穀粒は、十分に注意して排除します。
 フレコンや乾燥機など前作に引き続き使用する資材・機器も清掃終了後、残留穀粒がないことを再度確認します。
 籾袋の種類別枚数・保証票の確認も行います。

5.適期収穫の実施
 刈り取りの準備は早めに行い、そして適期での収穫に心掛けます。
 高水分籾の収穫を行うと損傷籾の発生が多くなり、発芽率が低下し、枝梗付着籾が増加する原因になりますので、収穫は籾水分25%以下になってから行うようにしましょう。一方で、刈り遅れると、籾の光沢が悪くなり品質を下げてしまい、優良種子にならない場合がありますので、ほ場を観察し適期での収穫にこころがけます。
 また朝露などにより付着水のある場合や、降雨後の高水分条件での収穫はしないようにします。これらも発芽率の低下を招き、枝梗付着籾が増加する原因になります。
 また倒伏した箇所は、水分状態も異なるので除外するようにします。
 各品種・ほ場ごとの成熟期を推定し、その時期が近づいたら、実際に、ほ場に入って穂をよく観察します。
 一穂の穂元の帯緑籾割合(10%程度残っているときが刈り取り適期)や枝梗の黄化程度、刈り取り時の気象条件などを考え、刈り取り日を決めます。
平成28年産の水稲種子では、枝梗付着籾が多く見られましたので、高水分籾の収穫は行わないよう留意して下さい。

6.適正な乾燥
 「ムレ」ると、発芽率が低下しますので、収穫した生籾は速やかに乾燥します。乾燥温度は、一般籾より低くし、高温の熱風による発芽障害が起こらないように注意してください。

一社)滋賀県種子センター 採種のしおりより引用
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