穀雨(こくう)... 地上にあるたくさんの穀物に、たっぷりの水分と栄養がためこまれ天からの贈り物である恵みの雨が、しっとりと降り注いでいる頃のことです。穀雨の終わりごろが八十八夜になります。 《 春雨降りて百穀を生化すればなり 》         『 湖北地域農業センターは、広域調整機能を最大限に活用し、湖北地域における農業の振興及び担い手の育成を図り、将来展望の持てる農業構造の確立を目指すと共に、湖北地域の農業・農村の活性化を図ることを目的としています。 』        Kohoku Regional Agriculture Center Tel:0749-62-4143 Fax:0749-62-4144 Mail:kohoku-nougyou@tree.odn.ne.jp HP:https://kohoku.webnode.jp/ LINE:@549zxsvy

本県で未発生のシタベニハゴロモが確認されました

2023年12月26日

 令和5年12月26日 滋賀県病害虫防除所は、病害虫発生予察情報(特殊報第2号)を発表しました。

令和5年度病害虫発生予察特殊報第2号
令和5年(2023年)12月26日
滋賀県病害虫防除所


1.病害虫名 シタベニハゴロモ Lycorma delicatula (White)

2.対象作物 ブドウ

3.発生地域 高島市

4.発生経過
(1)高島市の露地栽培のブドウにおいて、令和5年10月に多数のハゴロモ類が寄生している様子が認められた。滋賀県病害虫防除所において同定した結果、本県では未発生のシタベニハゴロモであることが確認された。なお、県内では11月22日までに同ほ場以外で発生は確認されておらず、本種によるブドウの枯死や果実への被害も確認されていない。
(2)本種は中国本土、台湾、インドやベトナム原産の侵入害虫である。日本では、平成21年に石川県のニワウルシにおいて初めて発生が確認された。令和5年12月26日現在、滋賀県を除く9府県で庭木、街路樹および樹林地において発生が確認されている。

5.形態および生態
(1)成虫の体長は約2.5㎝で、翅を広げた長さは約5㎝である。前翅はクリーム色、後翅の半分は赤色で、いずれにも黒点が散在する。翅の色合いは、地域によって異なる場合がある。
(2)本種は年1世代のみ発生する。繁殖は9月以降に行われ、卵は寄主の根際から枝先まで、広い範囲に産み付けられる。産み付けられた卵は、ワックス状の物質で覆われていることが多い。卵のまま越冬し、翌年5月頃から幼虫が発生する。幼虫が成虫になるまでの期間は約70日で、7月頃から成虫が発生する。
(3)広食性であり、70種以上の植物を寄主とすることが知られている。主な寄主植物はブドウ、ナシ、ウメやリンゴなどの果樹、ニワウルシ、センダン、アカメガシワおよびサンショウ属などの庭木・街路樹である。
 成虫は主に樹幹、幼虫は新梢部の枝や葉軸から樹液を吸汁し、植物の生育不良や枯死を引き起こ す。加えて、大量の甘露(糖分を多く含んだ排泄物)を分泌することで「すす症状」を引き起こし、果実の汚れの原因となる。葉に多量のすすが発生すると、光合成が阻害されることがある。

6.防除対策
(1)令和5年12月26日現在、本種に対して登録のある農薬はない。
(2)ほ場内をよく見回り、成虫や幼虫は見つけ次第捕殺する。また、産み付けられた卵塊をそぎ 落とす。卵塊は、ほ場外に持ち出し土中に埋めるか、袋に密閉したうえで処分するなど、適切に処理する。
(3)施設栽培では、ハウスの開口部に防虫ネット等を設置し、侵入を防止する。

  お問い合わせ先:滋賀県病害虫防除所
  TEL:0748-46-4926・6160 FAX:0748-46-5559
  Email:gc70@pref.shiga.lg.jp
  https://www.pref.shiga.lg.jp/boujyo/


農薬の取り扱いについて

 農薬取締法や滋賀県では、農薬を販売する者・使用する者が守らなければならない事項、守っていただきたい事項を次のように定めています。
 このことを守り、農薬の適正な流通、安全・適正な使用に努めましょう。

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