立夏(りっか)... 夏の始まりの時期です。日差しが強くなり気温が高くなる日もありますが、基本的には暑くもなく寒くもなく、湿度が低く風もさわやかで一年のうち、もっとも過ごしやすい季節です。 《 夏の立つがゆへなり 》         『 湖北地域農業センターは、広域調整機能を最大限に活用し、湖北地域における農業の振興及び担い手の育成を図り、将来展望の持てる農業構造の確立を目指すと共に、湖北地域の農業・農村の活性化を図ることを目的としています。 』        Kohoku Regional Agriculture Center Tel:0749-62-4143 Fax:0749-62-4144 Mail:kohoku-nougyou@tree.odn.ne.jp HP:https://kohoku.webnode.jp/ LINE:@549zxsvy

本県で未発生のトマトキバガが確認されました

2023年10月27日

 令和5年10月17日 滋賀県病害虫防除所は、病害虫発生予察情報(特殊報第1号)を発表しました。

令和5年度病害虫発生予察特殊報第1号
令和5年(2023年)10月11日
滋賀県病害虫防除所


1.病害虫名 トマトキバガ Tuta absoluta(Meyrick)

2.発生地域 近江八幡市

3.発生経過
(1)近江八幡市安土町大中に設置しているトマトキバガ侵入調査用のフェロモントラップにおいて、令和5年10月中旬に本種と疑われる雄成虫が誘殺された。滋賀県病害虫防除所において同定した結果、本県では未発生のトマトキバガであることを確認した。なお、県内では、10月23日までに、 本種による農作物での発生および被害は確認されていない。
(2)本種は南米原産であるが、令和3年に熊本県のトマト栽培ほ場において、国内で初めて発生が確認された。その後、国内各地で誘殺が確認されており、10月24日現在、本県を含め36道府県で確認されている。

4.形態および生態
(1)成虫の体長は、翅を閉じた状態で5~7㎜である。前翅は、灰褐色の地色に黒色斑が散在する。後翅は、一様に淡黒褐色である。
 幼虫の体長は、終齢で約8㎜である。体色は淡緑色~淡赤白色で、頭部は淡褐色である。前胸の背面後方に細い黒色の横帯がある。
(2)卵が成虫になるまでの期間は24~38日程度で、気温が低い時期はさらに延びる。発生世代数は環境条件によって異なるが、1年に複数世代を繰り返す。成虫は夜行性で、日中は葉の間に隠れていることが多い。雌は一生のうちに平均で約260個の卵を寄主植物の葉裏などに産み 付ける。
(3)主な寄主植物は、トマト、なす、ピーマンおよびばれいしょ等のナス科植物である。マメ科植物 のいんげんまめも、寄主植物として報告されている。
 トマトでは、茎葉の内部に幼虫が潜り込んで食害し、孔道が形成される。また、葉の食害部分は表面を残して薄皮状になり、白変や褐変した外観となる。さらに、幼虫は果実に潜り込んで食害するため、果実表面に数㎜程度のせん孔痕が生じるとともに食害部が腐敗し、果実品質が著しく低下する。

5.防除対策
(1)ほ場内をよく見回り、見つけ次第捕殺する。
(2)施設栽培では、ハウスの開口部に防虫ネット等を設置し、侵入を防止する。
(3)トマトキバガと疑われる虫を見つけた場合は、速やかに最寄りの農業普及指導センターまた は病害虫防除所に連絡する。
(4)発生を拡大させないため、被害葉や被害果実はほ場に放置せず、速やかに土中深くに埋却する。もしくは、ビニール袋などに入れて一定期間密閉し、寄生した成幼虫を全て死滅させるなどして適切に処分する。
(5)薬剤による防除を行う場合、発生を確認後、早期に実施する。なお、令和5年10月27日現在、 本種に対する登録のある農薬の適用作物はトマトおよびミニトマトのみである。薬剤の散布にあたっては、ラベルを確認し、農薬使用基準(使用時期・使用回数等)を遵守する。

  お問い合わせ先:滋賀県病害虫防除所
  TEL:0748-46-4926・6160 FAX:0748-46-5559
  Email:gc70@pref.shiga.lg.jp
  https://www.pref.shiga.lg.jp/boujyo/


農薬の取り扱いについて

 農薬取締法や滋賀県では、農薬を販売する者・使用する者が守らなければならない事項、守っていただきたい事項を次のように定めています。
 このことを守り、農薬の適正な流通、安全・適正な使用に努めましょう。

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