『 湖北はひとつ 』を合言葉に!   湖北地域農業センターは、広域調整機能を最大限に活用し、湖北地域における農業の振興及び担い手の育成を図り、将来展望の持てる農業構造の確立を目指すと共に、湖北地域の農業・農村の活性化を図ることを目的としています。   KohokuRegionalAgricultureCenter Tel:0749-62-4143 Fax:0749-62-4144 E-mail:kohoku-nougyou@tree.odn.ne.jp Web:https://kohoku.webnode.jp/ LINE:@549zxsvy                白露(はくろ)... 夜中には大気が冷え、木々や草花に朝露が宿りはじめる頃です。日中の暑さも和らぎはじめ、だんだんと秋の気配が深まってきます。 《 陰気やうやく重りて、露にごりて白色となればなり 》

積雪及び寒害に伴う農作物等の被害防止について

2018年01月24日

 気象庁の予報によると、北日本、東日本及び西日本では向こう1か月の平均気温が低く、日本海側で降雪量が多くなる見込みです。 

 特に、1月22日は、東北地方から西日本にかけての広い範囲で雨や雪が降り、東北南部から東日本にかけての山沿いや内陸を中心に大雪となり、また、23日以降も、北日本から西日本にかけての日本海側を中心に風が強く、断続的に雪が降り、こうした状況は29日の週にかけて続き、降雪量がかなり多くなるおそれがあります。

  このため、今後の気象状況に十分留意するとともに、積雪及び寒害に対する被害を防止するため、 作業者の安全確保を最優先に、下記の事項に十分留意の上、適切な対応を行ってください。


【共通事項】
 降雪時の農地・農業用施設の見回りは、気象情報を十分に確認するとともに、次の点に留意しつつ、作業者の安全確保を最優先に、対策の徹底を図る。
1 道路・ほ場周辺で、隣接する用水等があったり、落差がある場所には近づかない。
2 見回りをする際には一人では行かない。
3 すべりにくい靴を履く。
4 倒壊の恐れのある施設には近づかない。
5 ハウスの雪下ろし等を行う際には複数人で作業を行う。
6 大雪や吹雪等の悪天候時には、作業は行わない。

【野菜】
1 雪害対策
 育苗床の設置に当たっては、日照、風向等の環境条件を十分に考慮するとともに、除雪や融雪促進剤の散布を行い、適期育苗に努める。
2 寒害対策
 露地栽培等における発芽期又は定植後の幼苗期には、不織布などの被覆資材のべたがけやマルチング等により地温を上昇させる。また、生育初期に窒素質肥料の多施用を避ける等、適切な生育管理に努める。
 育苗に当たっては、外気温が低い時期には施設内が多湿となり、病害発生に好適な環境となり得るため、低温障害を受けないよう留意しながら、十分な換気を行う。また、病害が発生した場合には、速やかに防除を実施する。

【果樹】
1 雪害対策
(1)事前準備
 積雪の多い地域においては、早期のせん定、支柱等による枝の補強、果樹棚の補強等に努める。特に苗木・幼木や改植後間もない若木については、結束して樹冠を縮める、支柱により接木部を補強する等の対応を講ずる。
 積雪時の野そ被害を低減するため、樹幹へのプロテクター等の巻きつけ、忌避剤の塗布や散布、殺そ剤の投与等の対策に努める。
(2)降雪・積雪中の対策
 安全が確保できる範囲で、樹園地を見回り、除雪を行う。雪に埋まった枝は沈下しないうちに可能な限り掘り起こす。掘り起こしが困難な場合、スコップで雪に切れ目を入れたり、樹冠下の雪踏みを行う。
 園芸用施設を使用している場合は、施設内の温度を高め、積雪の自然落下を促進するほか、ハウスの屋根の補強材や支柱等を設置する。また、安全が確保できる範囲で、屋根の雪下ろしや施設周辺の除雪を行う。
 施設の破損、倒壊等が生じた場合には、安全に留意しつつ、早急に修復を行いハウス内の温度の確保に努める。
2 寒害対策
 低温に弱いかんきつ類等の常緑果樹は、次の点に留意する。
(1)寒害の恐れがある場合は、寒冷紗や不織布等で被覆し、樹体が直接寒風にさらされることや樹体の凍結を防ぐ。特に苗木、幼木や改植後間もない若木は寒さに弱いため、コモや不織布等で樹体を保護する等の防寒対策に努める。
 また、かん水が可能な場合は、土壌の過乾燥を防止するためのかん水を実施する。
(2)防風垣や防風網を設置している場合は、裾の部分の巻き上げ等を行い、冷気の停滞を防止する。また、敷わら栽培では、地表面での熱移動が妨げられるため、敷わらの全面被覆は避ける。
(3)今後、収穫・出荷期を迎える中晩柑等においては、異常低温が予想される前に収穫適期の果実を収穫する。また、寒害等によりヤケ、苦味、す上がり等の果皮・果肉障害が発生した場合には、出荷時にこれらの果実の混入防止に細心の注意を払う。
(4)冬期に開花から結実を迎えるびわについては、通常の袋掛けの上にアルミ蒸着袋を重ね掛けする等、幼果の保温対策に努める。

【花き】
1 雪害対策
 育苗床の設置に当たっては、日照、風向等の環境条件を十分に考慮するとともに、除雪や融雪促進剤の散布を行い、適期育苗に努める。
2 寒害対策
 露地栽培等における発芽期又は定植後の幼苗期には、不織布などの被覆資材のべたがけやマルチング等により地温を上昇させる。
 育苗に当たっては、外気温が低い時期には施設内が多湿となり、病害発生に好適な環境となり得るため、低温障害を受けないよう留意しながら、十分な換気を行う。また、病害が発生した場合には、速やかに防除を実施する。

【園芸用施設】
 降雪や降雪後の降雨によりパイプハウスが倒壊する恐れがある場合(積雪荷重がおおむね20kg/m2を超えると予想される場合)には、気象庁からその旨の気象情報が発令される。普段、積雪が少ない地域も含め、これらの気象情報を注視し、一般社団法人日本施設園芸協会作成の「平成26年2月の大雪被害における施設園芸の被害要因と対策指針」(https://www.jgha.com/files/houkokusho/26/yuki.pdf 以下、「指針」という。)を参考に、次の点を踏まえ、作業の安全確保と施設及び施設内作物の保護に万全を期されたい。
1 事前の対策
(1)ハウスの被覆資材の破れや隙間の点検、補修等により、保温性向上に努める。
(2)谷樋など荷重が集中すると思われる部分を特に補強する。
(3)基礎部が腐食している場合は、パイプの交換や補強資材により、強化を図る。
(4)基礎の沈下を防ぐため、谷樋からのオーバーフロー防止対策を講ずる等、施設の保守管理と構造強化に努める。
(5)強風に備えて、取付け金具の緊張、抑えひもによる固定、妻面の補強等の防風対策に努めるとともに、飛来物による損傷を防止するために施設周辺の清掃、防風網の設置等に努めること。
2 降雪直前からの対策
 指針のチェックリストを活用して、保守管理を確認するとともに、積雪前に内部被覆を開放して融雪対策に努める。
 最新の気象情報による積雪深がハウスの耐雪強度を大きく上回る場合は、被覆資材を切断除去することで施設への積雪を防ぐ。

【茶】
 積雪や強風による棚施設の破損や倒壊を防ぐため、事前に棚施設から被覆資材を撤去する。
 やむを得ず、被覆資材が撤去できない場合は、風で広がらないように強く縛って固定し、被害の軽減に努める。
 茶園に積雪した場合、散水による融雪はその加重で茶樹の損傷や融雪後の寒風害を助長することがあるため、自然融雪を待つ。

【畜産】
1 寒冷対策
 特に幼畜・幼雛について、消化器病や呼吸器病の予防のため、適切な防風・保温に努めるとともに、適切な換気にも配慮する。また、幼畜の保温のための機器については、ガスホース、配線及び吊り下げ金具を含め、使用前に異常の有無を点検する等により、畜舎の火災の発生防止に努める。
 畜舎内やパドックが凍結した場合は、砂や融雪促進剤等の散布を行い、転倒等の予防に努める。
 また、乳用牛及び肉用牛においては、飲水の凍結防止、飲水後の体温低下の抑制及び水槽周りの凍結による転倒防止が重要であり、飲水の加温や飲水器周辺への滑り止めマットの設置等の対策を講ずるよう努める。
2 積雪対策
 積雪による畜舎や家畜の事故防止等を図るため、安全には十分に配慮した上で、早めの雪下ろし及び畜舎周辺の除雪に努める。
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