『 湖北はひとつ 』を合言葉に!   湖北地域農業センターは、広域調整機能を最大限に活用し、湖北地域における農業の振興及び担い手の育成を図り、将来展望の持てる農業構造の確立を目指すと共に、湖北地域の農業・農村の活性化を図ることを目的としています。   KohokuRegionalAgricultureCenter Tel:0749-62-4143 Fax:0749-62-4144 E-mail:kohoku-nougyou@tree.odn.ne.jp Web:https://kohoku.webnode.jp/ LINE:@549zxsvy                秋分(しゅうぶん)... 太陽が真東から登り真西に沈み、昼と夜の長さが同じになります。秋分の日を中心とした一週間が秋のお彼岸で、しだいに秋が深まってきます。 《 陰陽の中分なればなり 》

令和8年度における水田活用の促進について

公開日 令和7年9月2日

令和7年8月
滋賀県農業再生協議会

 国は、これまで米の需給および価格の安定を図るため、米の需給の見通しを策定し、生産調整の円滑な推進を行ってきましたが、令和5年、6年と、それまで減少トレンドであった米の需要がインバウンド等の影響で増加に転じたこと、および、精米歩留まりの低下により供給が減少したことなどにより、生産量が需要量に対して不足し、令和の米騒動と呼ばれる米価高騰を招いたとしています。
 こうした状況を踏まえ、8月5日の米の安定供給等実現閣僚会議では、需要に応じた米の増産に舵を切るとの方向性が示されました。
 国では令和9年度から水田政策を根本的に見直し、「水田を対象として支援する水田活用の直接支払交付金を作物ごとの生産性向上等への支援へと転換する」としており、現時点では、どのような見直しが行われるか不透明な状況です。
 本県では、これまで、平成30年産から始まった「新たな米政策」のもと、主食用米をはじめ麦・大豆、非主食用米、高収益作物等について、需要の確保とともに契約に基づく生産と安定供給を推進してきました。
 今後も、農地の生産力を最大限引き出すとともに、マーケットインや適地適作の視点に立ち、主食用米だけでなく、麦・大豆、非主食用米、高収益作物等について、経営のリスク分散や農業者の所得向上が実現できる作付割合や栽培品目・導入技術等を市町農業再生協議会および関係機関・団体が提案し、農業者自らが考え実践する生産体制づくりを進めます。

1.主食用米の安定生産
 主食用米の需要動向の変化も踏まえつつ、水田農業を基幹とする本県農業の持続的な発展に向け、関係機関・団体が事前契約(播種前契約、複数年契約等)とその履行を着実に進め、実需者等が求める主食用米の数量をしっかりと生産、供給することにより、産地として信頼される需給関係の構築に努めます。
 また、近江米振興協会で、今年度策定予定の「近江米生産・流通ビジョン」に基づき、多様化する消費者ニーズに対応し、近江米の生産振興を図り、必要とされる数量を確実に生産・供給することで、全国に占める近江米の需要量シェアの維持・向上および農業者の所得の確保に向けた取組を進めます。

2.需要に応じた麦・大豆等の作付の継続と生産性の向上
 麦・大豆は、本県水田農業の基幹作物であり、実需者との信頼関係を築きながら作付拡大を進め、面積は麦で全国6位、大豆で全国5位の主産地となっている状況にあり、米の状況に応じて極端に面積を変動するようなことはせず、今後とも実需者から信頼される産地として、需要に応じた生産を継続していくことが大切です。

(1)麦類
 播種時期を目前に控えた麦については、小麦「びわほなみ」、小粒大麦「ファイバースノウ」等実需者の評価に沿った品種の導入を進めてきたところであり、令和7年7月に開催された「令和7年度滋賀県麦民間流通地方連絡協議会」により販売予定数量および購入希望数量の合意が図られたことから、その結果を踏まえ、播種前契約数量に基づく面積の確実な作付けを進めます。
 その際、米価高騰等により麦の作付を大きく減らすと産地としての信用が失墜し、その後、再び麦の増産に転じた際の販売が困難となることがないよう留意が必要です。
 また、作付けにあたっては、生産性の向上と品質改善が図られるよう、集落による農地利用調整を基にブロックローテーションでの栽培ほ場の団地化はもちろんのこと、排水対策や基本技術(土づくり、適期播種、適期防除、雑草対策、適期収穫等)、品種に応じた栽培管理を徹底するよう推進します。

(2)大豆
 大豆は、播種時期の気象条件により生産が不安定になりやすいことから、麦あとをはじめ単作であっても団地化を図るとともに、大雨等にも対応できるよう排水対策の徹底や的確な作業判断、基本技術(土づくり、適期播種、適期防除等)の励行を推進します。

(3)その他
 麦あと水田については、大豆の他、ソバや野菜等の作付けによる高度利用を進め、水田の有効活用による所得向上が図られるよう推進します。

3.野菜等の高収益作物の作付推進
 都市近郊で消費地に近い立地条件や担い手による水田農業経営の展開等、本県の特徴を活かしつつ、需要の変化を注視しながら、実需者との結び付きの中で、野菜や果樹、花き等高収益が期待できる園芸作物の生産拡大を進めます。

4.耕畜連携による飼料作物の増産
 国際情勢の変化により飼料価格の高止まりが続く中、本県での水田フル活用や畜産経営の安定化、低コスト化を図るため、水田を活用した飼料作物の生産拡大を進めるとともに耕畜連携を基本に、耕種農家によるWCS用稲をはじめとする粗飼料等の作付を進めます。

5.非主食用米の取組推進と不作付地の解消等
 非主食用米については、水田の有効利用を図るための重要な品目と位置づけ、調整水田や保全管理等の不作付地、麦・大豆等の栽培が適さない地域において、加工用米や輸出用米、飼料用米等の需要量や特性を踏まえた作付けを推進し、不作付地の解消や発生防止に努めるものとします。

6.地域の話し合いに基づく水田活用の再構築
 本県の水田農業は、主食用米を基幹とし、ブロックローテーションによる麦・大豆の集団栽培や、「世代をつなぐ農村まるごと保全向上対策」等の集落共同活動の取組により発展してきました。しかし、担い手への農地集積に伴う農家数の減少や、コロナ禍を契機に話し合う場面が逸失した状態が続いている等、集落の合意形成機能が徐々に崩れつつある中、地域の実情に応じ、地域計画をベースに、より広域で地域農業を再構築するなどのアドバイスに努めます。

7.令和8年産米の生産目標(生産の目安)等

(1)米の生産の目安について
 米の需要動向が大きく変化する中、今後示される見込みの国の方針を踏まえ、県全体の生産の目安および各市町協議会別の生産の目安を本年11月に提示できるよう、関係者で検討していきます。

(2)麦類の生産について
 今後とも実需者から信頼される産地として、需要に応じた生産を継続していくため、麦類の播種前契約数量に基づく面積の確実な作付け(別紙)を進めます。

(参考)
【令和6年産米の滋賀県の生産目標(生産の目安)の算定方法】
 国が11月に提示する「基本指針」で示される全国の需給動向や県内集荷業者等での需給状況、滋賀県産米の民間在庫量、需要実績等を勘案し、特に県内集荷業者からの需給状況を重視し、前年度実績よりも1万トン多い146,100 トンと算出。

【令和7年産米の滋賀県の生産目標(生産の目安)の算定方法】
 国が11月に提示する「基本指針」で示される全国の需給動向や県内集荷業者等での需給状況、滋賀県産米の民間在庫量、需要実績等を勘案し、特に滋賀県産米の直近4年間の需要実績を重視し、148,000トンと算出。

【令和6、7年産米の市町農業再生協議会別生産目標(生産の目安)の算定方法】
 市町農業再生協議会別の生産目標(生産の目安)は、「需要に応じた米の生産・販売の推進に関する要領」に基づき、本県の「生産目標(生産の目安)」に、市町毎に算出した直近5ヶ年の「市町別水稲収穫量」の中庸3ヶ年の平均値のシェア率を乗じて算出。

※ 「市町別水稲収穫量」は、農林水産関係市町村別統計に基づく市町別の10a当たり収量に、地方農政局長等が公表した「水田における作付状況」等の市町別主食用米作付面積(属人)を乗じ、年度ごとに算出したもの。

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