水田活用の促進および令和9年産麦の作付方針について
令和8年3月
滋賀県農業再生協議会
国は、これまで米の需給および価格の安定を図るため、米の需給の見通しを策定し、生産調整の円滑な推進を行ってきましたが、令和5年、6年と、それまで減少トレンドであった米の需要がインバウンド等の影響で増加に転じたこと、および、精米歩留まりの低下により供給が減少したことなどにより、生産量が需要量に対して不足し、令和の米騒動と呼ばれる米価高騰を招いたとしています。
その後、令和7年産米の生産実績や令和8年6月末の民間在庫量が増える見通しとなり、10月末の食料・農業・農村政策審議会食糧部会では、需要に応じた生産量として令和8年産主食用米生産量711万トンが示されました。
また、令和9年度から水田政策を根本的に見直し、「水田を対象として支援する水田活用の直接支払交付金を作物ごとの生産性向上等への支援へと転換する」としており、現時点では、どのような見直しが行われるか不透明な状況です。
本県では、これまで、平成30年産から始まった「新たな米政策」のもと、主食用米をはじめ麦・大豆、非主食用米、高収益作物等について、需要の確保とともに契約に基づく生産と安定供給を推進してきました。
今後も、農地の生産力を最大限引き出すとともに、マーケットインや適地適作の視点に立ち、主食用米だけでなく、麦・大豆、非主食用米、高収益作物等について、経営のリスク分散や農業者の所得向上が実現できる作付割合や栽培品目・導入技術等を市町農業再生協議会および関係機関・団体が提案し、農業者自らが考え実践する生産体制づくりを進めます。
1.需要に応じた麦・大豆等の作付の継続と生産性の向上
麦・大豆は、本県水田農業の基幹作物であり、実需者との信頼関係を築きながら作付拡大を進め、面積は麦で全国5位、大豆で全国5位の主産地となっている状況にあり、米の状況に応じて極端に面積を変動するようなことはせず、今後とも実需 者から信頼される産地として、需要に応じた生産を継続していくことが大切です。
(1)麦類
麦については、小麦「びわほなみ」、小粒大麦「ファイバースノウ」等実需者の評価に沿った品種の導入を進めてきたところであり、米価高騰等により麦の作付を大きく減らすと産地としての信用が失墜し、その後、再び麦の増産に転じた際の販 売が困難となることがないよう留意が必要です。
また、作付けにあたっては、生産性の向上と品質改善が図られるよう、集落による農地利用調整を基にブロックローテーションでの栽培ほ場の団地化はもちろんのこと、排水対策や基本技術(土づくり、適期播種、適期防除、雑草対策、適期収穫 等)、品種に応じた栽培管理を徹底するよう推進します。
(2)大豆
大豆は、播種時期の気象条件により生産が不安定になりやすいことから、麦あとをはじめ単作であっても団地化を図るとともに、大雨等にも対応できるよう排水対策の徹底や的確な作業判断、基本技術(土づくり、適期播種、適期防除等)の励行 を推進します。
(3)その他
麦あと水田については、大豆の他、そばや野菜等の作付けによる高度利用を進め、水田の有効活用による所得向上が図られるよう推進します。
2.非主食用米の取組推進と不作付地の解消等
非主食用米については、水田の有効利用を図るための重要な品目と位置づけ、調整水田や保全管理等の不作付地、麦・大豆等の栽培が適さない地域において、加工用米や輸出用米、飼料用米等の需要量や特性を踏まえた作付けを推進し、不作付地 の解消や発生防止に努めるものとします。
3.令和8年産米の生産目標(生産の目安)について
国からは需要に応じた生産が示される中、本県では、京阪神の卸等に必要な近江米の数量を供給できていない状況にある一方で、主食用米以外の作物の需要に基づく継続した生産も必要なことから、令和8年産米の県全体の作付面積を令和7年産 実績とほぼ同等の29,497haとし、生産の目安は153,000トンと設定としています(表1)。

4.令和9年産麦の作付方針について
(1)令和8/9年主食用米の需給見通し(10月31日時点)
全国の令和8年産米の生産の目安は711万トンで、需要量が694~711万トンの場合、令和9年6月末在庫量は215~245万トンとなる見通しです。仮に245万トンに達した場合は、直近10年程度で最も在庫水準が高かった平成27年の226万トンを超える在庫水準となることが見込まれており、現時点では、令和9年産米の作付について、現行水準からの増産は慎重に判断する必要があります。
(2)令和8年産麦の作付状況および令和9年産麦の需要状況
主食用米の作付拡大が求められていたことを背景に、令和8年産民間流通麦播種前契約数量に基づく作付予定面積については、前年から620ha減少の7,383haとなり、作付実績ではさらに減少することも見込まれています。
一方で滋賀県民間流通麦連絡協議会による、令和9年産麦に対する県産麦実需者からの需要量は4麦計で約26,500トン(面積換算値7,800ha)が見込まれており、令和9年産麦での作付拡大が期待されています。
(3)令和9年産麦の作付方針について
麦の作付けと表裏の関係にある主食用米の作付けについては、政府備蓄米の運用や買い戻し、輸入米の動向等も注視しつつ、引き続き需要に応じた生産が必要です。
また、令和9年度から実施される国の水田施策の見直しに伴う、麦や大豆に対する品目ごとの支援水準は不透明な状況ですが、県産麦の実需者からは9年産麦での作付け拡大が望まれており、産地として需要に対応することが望ましいと考えてい ます。
そこで、令和9年産麦の作付けについては、実需者の需要量と同等の26,500トン(面積換算値7,800ha)を目指すこととし、関係団体が連携し作付け誘導を図ることとします。


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